写真=OpenAI

OpenAIでコンピュート部門を統括するサチン・カティ氏が、11月15日付で退任する。CNBCが10月14日(現地時間)に報じ、同社も後任人事を明らかにした。退任後は顧問としてOpenAIを支援する。

後任はコンピュート最高技術責任者(CTO)のウダイ・ルダラジュ氏。OpenAIの広報担当者によると、ルダラジュ氏はカティ氏の後を継ぎ、同社のコンピュート組織全体を率いる。コンピュート組織は、インフラのロードマップ策定に加え、モデルの学習やサービス運用に必要な計算資源の確保を担う中核部門だ。

カティ氏はLinkedInへの投稿で、退任理由について「新たな仕事に取り組むためだ」と説明した。そのうえで、AIインフラを大規模に構築する過程で、半導体、システム、データセンター、電力、サプライチェーン、資金調達、AIの経済性まで幅広く見渡す機会を得たと振り返り、チームの成果に誇りを持っていると記した。あわせて、自身は根っからのビルダーであり、次のものづくりに取り組むことを楽しみにしていると述べた。

今回の人事は、OpenAIが巨額のAIインフラ投資を進めるさなかに行われる。入力訳文によると、同社は2030年までのコンピュート関連支出を約6000億ドル規模と見込み、オハイオ州、テキサス州、ジョージア州などで数十億ドル規模のデータセンタープロジェクトを進めている。モデル性能の競争力だけでなく、サービス拡大のスピードも左右する部門だけに、トップ交代の影響に関心が集まりそうだ。

ルダラジュ氏は2025年7月にOpenAIへ参画した。それ以前はイーロン・マスク氏率いるxAIでインフラエンジニアリング責任者を務めていた。カティ氏は別の声明で、自ら築いた基盤に誇りを感じているとしたうえで、ルダラジュ氏とチームがそれを引き継ぐことに全面的な信頼を寄せていると述べた。

今回の退任は、2026年に入って相次いだOpenAI幹部の離脱の流れとも重なる。7月には、プロダクト・事業責任者を務めていたフィジ・シモ氏が、持病悪化からの回復に専念するため顧問に転じると表明した。翌月にはブラッド・ライトキャップ氏と、売上責任者だったデニス・ドレッサー氏も退社している。

これに対しOpenAIは、経営陣の入れ替わりは成長企業では珍しくないとの立場を示してきた。当時、グレッグ・ブロックマン社長は、若い企業では時期ごとに求められるリーダーシップの形が変わると説明。サム・アルトマン氏と自身は引き続き職務にとどまり、同社は回復力と多様性によってむしろ強くなったと述べていた。

一方で、今回の交代は、米国内でAIインフラ整備を巡る緊張が高まる局面とも重なる。データセンター建設を巡っては、騒音や電気料金、水使用量への懸念から反発が広がっており、中間選挙でも争点の一つとして浮上した。OpenAIには、大規模なコンピュート投資とデータセンター拡張を進める一方で、組織の安定確保と対外的な負担への対応が引き続き求められる。

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