米証券取引委員会(SEC)は、CoinbaseやRobinhood、MARAなど暗号資産関連の上場企業23社を対象とするKPI連動オプションの上場を承認した。Cboe Global Marketsが今月中の上場を目指しているが、実際の取引開始には清算機関の認可取得が前提となる。
15日付のブロックチェーン専門メディアCoinPostによると、この商品は企業の決算そのものではなく、あらかじめ定めた主要業績指標(KPI)が基準値を上回るかどうかで損益が決まる仕組みだ。
承認対象となったのは、Cboe Global Markets(Cboe)が上場を計画している契約。投資家は、Coinbaseの取引量、Robinhoodの顧客数や売上高、MARAのビットコイン生産量などが基準値を超えるかどうかについて、二者択一でポジションを取ることができる。
契約は、対象指標が事前に設定した水準を上回るか下回るかに応じて満期時に決済される。予想が的中した場合は1ドルを受け取り、外れた場合の受取額は0ドルとなる。
判定に用いる数値は決算発表資料ではなく、企業がSECに提出する開示書類に記載された指標を基準とする。
SECのポール・アトキンス委員長は、今回の契約について、現金決済型の標準化オプションであり、既存の非バイナリー型の標準化オプションとほぼ同じ形で証券取引所に上場され、取引されると説明した。
また、顧客口座や証拠金、取引停止手続き、マーケットメイカーの指定など、取引所のルールが適用されるほか、証券法に基づく投資家保護の対象にもなるとした。
もっとも、取引が直ちに始まるわけではない。清算を担うCboe Clear U.S.が仮登録を取得する必要があり、関連手続きが残っている。この手続きが完了して初めて、実際の売買が可能になる。
今回の承認は、予測市場の拡大と規制当局の管轄を巡る問題とも重なる。これまで予測市場の契約の多くはスワップとして設計され、米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置かれてきた。
これに対し、今回のKPI連動契約は、SECの規制下にあるオプション取引所に上場される証券として位置付けられる。KalshiがCFTC規制の下でイベント契約を提供する枠組みとは、法的位置付けが異なる。
市場では、関連商品の広がりにも関心が集まっている。9月にはKalshi、Bitnomial、ICE Futuresを含む5社が、証券先物取引所の承認をSECに申請した。
SEC取引・市場部門のジェイミー・セルウェイ・ディレクターも14日、証券トレーダー協会の会合で、年内に少なくとも4社が証券を原資産とする無期限先物取引を開始するとの見方を示した。
こうした流れの中で、今回の承認は、暗号資産関連株や金融プラットフォーム企業の業績指標を新たな取引対象として制度圏に取り込む動きの一例といえる。
ただ、実際の市場立ち上げは清算認可の可否に左右される。今月中の上場が予定通り進むかが、次の焦点となる。