Nasdaq上場のEvernossは、保有する4億7300万XRPの運用開始に向けた体制整備に着手した。Ripple、Kraken、Coinbase、BitGoの4社を提携先に選定し、2026年10〜12月期からXRPを活用した財務運用を始める計画だ。
15日付のブロックチェーンメディアCoinPostによると、Evernossは4社を初の機関向けパートナーに起用した。まずは既存の機関取引ネットワークを活用し、実行可能な戦略から順次運用を始める方針で、リスク管理と監督は同社の投資・リスクチームが担う。
同社は、保有XRPの積み増しを進めるとともに、機関投資家向け戦略を通じた収益化を目指す。提携先の選定理由については、上場企業に求められる内部統制や報告体制、カウンターパーティ基準に対応しながら、XRPの収益基盤を構築できる点を挙げた。評価項目としては、機関投資家向けインフラの水準、ライセンスや資本力、上場企業や資産運用会社への対応実績を示している。
今後は、XRP Ledgerで貸付や信用供与の機能がバリデーターによって有効化され、実運用を通じた検証が進んだ段階で、XRP Ledger基盤のDeFi戦略も段階的に導入する考えだ。財務資産の一部をオンチェーン市場へ直接配分することも視野に入れる。
Evernossのアシシ・ビラCEOは、XRPを単に保有するのではなく、直接活用できる形にしていく方針を示した。XRP Ledger固有の信用市場が立ち上がれば、稼働初日から資金を振り向ける考えも明らかにし、1株当たりのXRP保有量を増やしていくと述べた。
もっとも、今回の提携が直ちに正式決定したわけではない。各契約の成立には、通常のクロージング条件の充足に加え、必要な規制当局の承認や社内手続きが前提となる。
Evernossは直近で上場手続きを完了した。9日に特別目的買収会社(SPAC)のAlmada Acquisition Corp IIとの合併を終え、12日にNasdaqでティッカーシンボル「XRPN」として取引を開始した。合併完了時点では、4億7300万XRPに加え、取引費用控除前で約3億ドルの現金を保有していたとしている。
運用全体の統括はヒウグ・ジャン・ド・ボスが担当する。ヒウグ・ジャン・ド・ボスはCoinbase Asset Managementで共同最高投資責任者(CIO)を務めた人物で、12日にEvernossのCIO就任が発表された。取締役会に説明可能な水準の取引先が必要だとしたうえで、今回選定した4社はその基準を満たすと説明した。
今回の発表は、Evernossが「XRPを保有する上場企業」から、一歩進んで運用型の財務戦略へ軸足を移そうとしていることを示すものといえる。同社はまず中央集権型の機関取引ネットワークで運用を始め、その後、XRP Ledger関連インフラの実証が進めばオンチェーン戦略へ広げる方針だ。今後は、XRP Ledger上の貸付・信用供与機能の有効化に加え、同社が確保した現金とXRP保有分をどのペースで運用資産へ振り向けるかが焦点となる。