暗号資産「Hyperliquid(HYPE)」の大口保有者が、1000万ドル超相当のトークンを暗号資産取引所Krakenに入金したことが分かり、市場では利益確定売りへの警戒が強まっている。平均取得単価は1枚3.5ドルとされ、HYPEが82ドル近辺まで上昇した足元では、含み益率は2200%超に達する水準だ。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが14日(現地時間)に報じた。対象ウォレットは最近、Hyperliquidのステーキングから資産を引き出した後、Krakenの入金アドレスへHYPEを移したという。
確認された直近2回の入金は計13万504枚。このうち10万276枚は約817万ドル相当で、6時間前にKrakenへ移された。さらに1日前にも3万228枚(約255万ドル)を同取引所に入金しており、合計額は約1072万ドルに上る。
このウォレットの当初購入量は25万7928枚で、平均取得単価は1枚3.5ドル。総購入額は約90万3000ドルだった。HYPEが82ドル前後で推移している現時点では、当初購入分の評価額は約2115万ドルとなる。足元の価格水準でみると、含み益率は約2243%に達する計算だ。
送金分をすべて売却したとすれば、取得原価ベースでは相応の利益を確定した可能性がある。ただ、取引所への入金が実際の売却に結びついたかどうかは確認されていない。
送金後も、このウォレットには約12万7000枚のHYPEが残っているとみられる。価格を82ドルで試算すると、残高の価値は約1040万ドルに相当する。今後も追加の入金が続けば、市場の潜在的な売り圧力になりかねない。
HYPEは直近高値の98ドル近辺から約16%下落した後、足元では82ドル前後で推移している。大口による取引所入金が確認されたものの、価格が急落したわけではなく、市場が一定の売りを吸収している可能性もある。出来高も低水準にとどまっており、投資家の広範な離反が起きているとまでは言い切れない。
テクニカル面では、短期モメンタムの鈍化が示唆されている。HYPEは50日移動平均線の83.70ドル、20日移動平均線の86ドルをいずれも下回った。相対力指数(RSI)も40台前半で推移しており、買いの勢いの弱さがうかがえる。
短期的な焦点は79ドル近辺のサポートを維持できるかどうかだ。ここを割り込めば、次の下値メドとして100日移動平均線の76.50ドル近辺が意識される。一方、買いが戻って84ドル台を回復し、87.50ドルを上抜ければ、90ドルや95ドルの再トライも視野に入る。
今後の注目点は、この大口保有者による追加の取引所入金の有無と、主要サポートの維持だ。単一ウォレットの動きだけでHYPEの中長期トレンドを判断するのは難しいが、価格が弱含む局面で大口資金の流入が続けば、短期的な相場の重荷となる可能性がある。
もっとも、長期移動平均線は上向きを維持しており、中長期の上昇トレンドが完全に崩れたと判断するのはなお早い。主要サポートを守れるか、短期レジスタンスを回復できるか、さらに大口の追加売却懸念がどこまで相場に織り込まれるかが、今後の値動きを左右しそうだ。