壁や机、天井などをディスプレイとして使い、専用モニターを不要にする「電球型コンピュータ」の構想が公開された。Appleで8年以上にわたり試作開発とデザインに携わったギヨーム・アルド氏が提案したもので、プロジェクターとコンピュータビジョンを組み合わせ、生活空間全体を表示領域として活用する。
Gigazineが前日(現地時間)に報じた。ギヨーム・アルド氏が公開したのは、未来型PCのコンセプト「Lightbulb Computer」。本体は大型の電球に似た形状で、スタンドに取り付けて使うほか、壁や天井の電球ソケットに装着し、周囲の面に情報を投影することを想定している。
中核となるのは、プロジェクターとコンピュータビジョンの組み合わせだ。音声コマンドや手の動きを認識し、周囲の物体や空間を把握した上で、必要な情報を適切な場所に表示する仕組みとしている。
公開されたデモ動画では、キッチンで「Hey Lightbulb」と呼びかけると壁にレシピを表示。読書中に質問すると机の上に回答を示し、旅行計画では机上に大きな地図を投影した。
投影された画面は、指でのタッチやスクロール操作にも対応する想定だ。スマートフォン内の写真を壁に映し出すほか、ゲーム用途も例示した。
スマートホーム機器の操作への応用も想定する。特定の家電を指さして「それをつけて」と指示すると、機器名を言わなくても対象を認識して操作できるという。
このほか、本棚の中から目的の本を光で示す機能も紹介した。周辺環境を素早く認識するコンピュータビジョンの活用例として位置付けている。
アルド氏は、スマートグラスやヘッドセットには装着時の負担やインタラクションの制約があると指摘。その代替案として、空間そのものを画面として使う方式を提案した。
もっとも、現時点では商用化には至っていない。公開動画は大型の試作機で撮影したもので、映像編集や特殊効果、AI生成画像は使っていないとしている。小型化や投影性能、プライバシー保護など、実用化に向けた課題は残る。