圧縮強度が通常の氷の約10倍という氷複合材のイメージ(画像:ChatGPT)

イスラエルの研究チームが、通常の氷に比べて圧縮強度が約10倍高く、壊れにくい氷複合材「BioPykrete」を開発した。コンクリートに近い強度を備え、極地における環境配慮型建材としての活用が期待される。

10月14日付の日本のニュースサイト「Gigazine」によると、ヘブライ大学などの研究チームは、植物由来素材とたんぱく質を組み合わせた氷複合材「BioPykrete」を開発した。

通常の氷は強い圧力を受けると亀裂が急速に広がり、破断しやすい。一方、BioPykreteは荷重が加わっても急激に崩れず、徐々に変形する性質を持つという。

強度向上の鍵は、氷の内部に形成した微細な網目構造にある。研究チームは、植物の細胞壁から得られるセルロースナノクリスタル(CNC)を水に混ぜ、一方向に凍結させた。するとCNCが網目状の骨格をつくり、その隙間に氷結晶が入り込む構造が形成されるという。

さらに、魚由来の不凍たんぱく質「AFPIII」と、セルロース結合たんぱく質「CBM3a」を組み合わせた融合たんぱく質を加えた。このたんぱく質は、氷とCNCを分子レベルで結び付ける接着材のような役割を果たすとしている。

研究チームは、直径2センチ、高さ1センチの円筒形試料を作製し、圧縮試験を実施した。

その結果、BioPykreteの圧縮強度は通常の氷の約10倍に達した。融合たんぱく質を用いない複合材と比べても、強度は約2倍高かった。

破壊に至るまでに吸収できるエネルギーは、通常の氷の約70倍だった。研究チームは、CNCの網目構造が亀裂の進展を抑え、融合たんぱく質が内部の結合力を高めたことが要因だと説明している。

研究チームは、BioPykreteについて、一般的なコンクリートに近い圧縮強度を持ち、北極や南極のような極限環境で建材として利用できる可能性があると評価した。

一方で、現時点では小型試料を使った実験段階にとどまっている。実用化に向けては、長期耐久性に加え、凍結と融解の繰り返しや継続的な荷重による変形などについて、追加の検証が必要だとしている。

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