「みんなのAI」の開発方針を説明するユ・ヨンハKakaoパフォーマンスリーダー(写真=Kakao)

Kakaoは10月14日、34社・機関と共同開発しているAIサービス「みんなのAI」を年内に正式リリースし、月間アクティブユーザー数(MAU)500万人の獲得を目指す方針を明らかにした。単なる質疑応答にとどまらず、検索や照会、予約といった実際の行動までつなぐサービスとして展開する。

同社は同日、イベント「if(kakao)26」で「良いAIを集めれば、みんなのAIになるのか?:Kakaoが『みんなのAI』を作る方法」と題したセッションを開き、サービスの構成と今後のロードマップを公開した。

コンソーシアムでプロダクトを統括するユ・ヨンハKakaoパフォーマンスリーダーは、「多くの人が日常的に使い、実際のニーズを的確に処理できる体験で差別化する」と語った。

◆KakaoTalkとWebで提供、会話から利用・予約までつなぐ

「みんなのAI」は、KakaoTalkから利用できるほか、専用のWeb画面でも提供する計画だ。

ユーザーが最初から利用するツールを指定したり、要望を整った文章で入力したりしなくても、対話を通じて条件を具体化できる設計とする。

例えば、「子どもと一緒に行ける展示はある?」と尋ねると、日程や移動距離、同伴条件などを追加のやり取りを通じて絞り込める。周辺の飲食店検索や候補比較、予約までの流れも支援する予定だ。

この過程では、先行する会話で確定した日程や人数などの文脈を維持し、同じ情報を繰り返し入力する手間を減らす。予約など実行段階に移る前には、条件や金額をユーザーに再確認する。

もっとも、こうした実行機能は初期のベータ版では限定的に提供し、その後段階的に高度化していく方針だ。

◆34社・機関が参画、専門AIとツールを接続

Kakaoは「みんなのAI」の構築に向け、コンソーシアム参加15社、アライアンス参加19社の計34社・機関と連携している。

Kakaoはサービス基盤とAIのワークフロー管理基盤を担い、LG UplusはAIモデルとGPUの運用を担当する。LG AI Researchは独自AIモデル「EXAONE」を提供する。

Kakaoの「Kanana」とEXAONEなどの国産AIモデルを基盤に、参画企業が保有する専門AI、データ、ツール、国産AI半導体などをサービスに接続する計画だ。

異なるサービスやエージェントが連携して動作できるよう、業務の委任範囲や権限、処理状況を共有するための共通仕様も整備している。

今後は外部企業や開発者の参画も拡大する。分野別の知識は専門AIエージェントとして、検索や照会、予約などの機能はツールとして接続する想定だ。

Kakaoは、「PlayMCP」に登録された約500のツールのうち、検証と審査を経た一部を「みんなのAI」で提供する予定としている。開発者が登録したツールの利用量など運用情報も提供し、長期的には成果に応じて収益化できる仕組みも整える考えだ。

◆年内正式リリース、2027年には「1人1エージェント」へ

「みんなのAI」は先行してベータテストを実施し、段階的に利用対象を広げる。Kakaoは年内の正式リリースとあわせ、MAU500万人を目標に掲げた。

ベータ期間中は、利用者数に加え、再訪率、会話文脈の維持、ユーザーが依頼した作業の完了度合いなども主要な指標として活用する。

2027年からは、ユーザーごとの個人エージェントも段階的に導入する方針だ。

ユーザーが希望する役割や業務の進め方を対話で設定すると、エージェントが許可された記憶や業務の順序、ユーザー確認が必要な段階を踏まえながら作業を実行する「1人1エージェント」型を想定している。

例えば、健康管理計画の作成や健康診断の予約を支援するエージェントを求めた場合、必要な役割と権限を設定し、関連する専門エージェントやツールまで接続する。

Kakaoは、日常利用の中で検証したエージェント技術と運用経験を、今後は個人の業務支援へ広げ、将来的には組織や産業分野にも適用範囲を拡大する考えだ。

ユ・ヨンハKakaoパフォーマンスリーダーは、「良いAIを集めることを起点に、AIに不慣れな人でも必要なことをやり遂げられる『みんなのAI』にしていく」と述べた。

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