デンマークで、個人が新規登録する乗用車のほぼすべてをEVが占める状況となっている。EVシフトの加速に伴い、自動車整備や部品、給油所など、内燃機関車を前提としてきた関連産業では事業構造の見直しが課題として浮上している。
Cleantechnicaが13日(現地時間)に報じたところによると、デンマークではEV販売の急拡大を受け、整備人材の育成、充電インフラの整備、給油所ビジネスの転換が主要な論点になっている。
デンマーク統計局によれば、9月に個人が新規登録した乗用車に占めるEVの比率は97.3%だった。社用車を含む新車全体でもEV比率は88.6%に達した。9月末時点でデンマーク国内を走る電動乗用車は約71万8300台で、乗用車総数297万台の24.2%を占めている。
こうした変化は、自動車整備の現場にも及んでいる。これまで内燃機関のエンジンやトランスミッションの修理を中心に担ってきた整備士には、電動パワートレインや高電圧バッテリーを診断・整備する技能が一段と求められている。
現地のEVユーザーは「デンマークではEV整備に関する教育が広がっている」と話した。一方で、多くのEVはまだ保証期間内にあり、従来型整備需要の減少が全面的に表れている段階ではないとの見方も示した。
EVはエンジンオイル交換が不要な一方、タイヤやサスペンションの整備は引き続き必要になる。さらに、回生ブレーキの利用拡大で機械式ブレーキの使用頻度が下がり、部品にさびが生じやすくなる点も新たな管理項目として挙げられている。
給油所業界にも影響は広がりそうだ。ヘンリク氏は、充電の多くが家庭で行われるため、給油所の事業基盤は弱まりかねないと指摘した。
その一方で、都市部では11〜22kW級の普通充電設備の拡充が新たな課題として浮上している。
デンマークでは新車販売のEVシフトが進むなか、自動車整備、燃料供給、充電サービスまで含めた産業エコシステム全体で再編が進みつつある。