中国のAIスタートアップZ.aiは、法務業務向けAIモデル「GLM-Legal」を公開した。契約審査や交渉、規制文書の作成といった実務を想定したモデルで、大量文書の検索・参照からドラフト作成までを支援する。現在はベータ版として提供中で、APIアクセス申請も受け付けている。
13日付のGIGAZINEが報じた。GLM-Legalは汎用モデルではなく、契約レビューや交渉、規制関連文書の作成など、法的根拠の整理や文書の完成度が重視される業務向けに設計したという。
Z.aiは、今後のAI市場では単一の汎用モデルよりも、厳格な制約条件の下で動く専門モデルを組み合わせたワークフローが主流になるとみている。利用規約の作成や契約交渉のように、明確な根拠を体系立てて整理し、成果物としてまとめ上げる必要がある法務業務を、専門モデルの有効性を測る重要領域と位置付けた。
GLM-Legalは「GLM-5.3-Flash」をベースに追加学習したモデル。あわせて、モデルの動作を制御する仕組みも法務タスク向けに最適化した。
同社が公表した法務ベンチマークの比較表には、GLM-Legalのほか、GLM-5.3-Flash、Kimi K3、Claude Fable 5、GPT-6 Astraを掲載した。Z.aiによると、GLM-Legalは一部テストでClaude Fable 5やGPT-6 Astraを上回る結果を示したという。
GLM-Legalは、多数のファイルを参照しながら法務業務を処理できる点も特徴だ。契約書を読み込み、ユーザー側に有利な条項を提案するほか、相手方との交渉過程では法的な意味合いを踏まえた提案の生成を想定している。各国の規制の違いを踏まえたプライバシーポリシーの作成にも対応するとしている。
Z.aiは、利用規約の作成や契約交渉では、単純な要約ではなく、法的根拠に基づいて成果物を仕上げる能力が重要だと強調した。GLM-Legalは、大量文書の検索・参照から論点整理、ドラフト作成までを一連で支援する構成で設計したとしている。
現時点でGLM-Legalはベータテスト段階にある。今後は同社のAIエージェント「AutoClaw」への適用も予定している。
今回の公開は、AI市場の競争軸が汎用モデルから業界別の専門モデルへ移りつつあることを示す動きといえる。とりわけ法務のように文書量が多く、国ごとの規制差も大きい領域では、専門学習と業務フローの最適化が性能差を左右する可能性が高い。Z.aiはGLM-Legalを通じ、こうした需要を狙う専門特化型AI戦略を打ち出した。