Alibabaは、中国でAIスマートグラス「Qwen Glasses N1」を発売した。自社のAIモデルにショッピングや決済機能を組み合わせ、AI対応ハードウェア分野へ本格参入する。
Cryptopolitanが13日(現地時間)に報じたところによると、同社はQwen Glasses N1を公開した。Metaが先行するAIスマートグラス市場で競争に乗り出す構えだ。
価格は標準モデルのN1が2999元。Metaの主力である「Ray-Ban」スマートグラスと同水準に設定した。低価格路線ではなく、機能性と完成度を重視した商品戦略を打ち出した格好だ。
販売はTaobao、Tmall、JD.com、Douyinで行う。ハードウェア投入と同時に、自社の電子商取引と決済のエコシステムを連携させ、初期普及を後押しする狙いがあるとみられる。
標準モデルのN1は、5000万画素センサーと1G5Pレンズを搭載し、4K動画撮影に対応する。骨伝導マイクを通じた音声対話でQwenのAIアシスタントを呼び出せるほか、音声操作で翻訳、会議メモの作成、買い物、決済が可能だ。Yahoo Financeによると、バッテリー駆動時間は最大25時間、音楽再生は最大9時間としている。
上位モデルのN1 Proは3499元。視線追跡技術を採用し、ユーザーが見ている対象についてそのまま質問できるようにした。対象を明示しなくても、視線ベースで問い合わせできる点を差別化ポイントとしている。
N1 ProはAlipayによるハンズフリー決済にも対応する。ユーザーがアプリで取引を開始し、加盟店のQRコードを見て決済情報を確認したうえで、うなずくことで決済を確定する仕組みだ。心拍数、血中酸素、皮膚温度の測定機能も備え、AIが健康サマリーとして整理する。
今回の投入は、スマートグラスを自社AIモデルの利用端末にとどめず、決済やショッピングまでつなぐ消費者接点として活用する戦略の一環といえる。価格面でも大幅な値下げには踏み込まず、Ray-Ban製品群に近い水準を選んだ。今後は中国市場での販売の立ち上がりや実際の利用頻度、Alipay決済機能の定着が焦点となる。