暗号資産の採掘イメージ(写真:Shutterstock)

SWIグループは、Genesis Digitalがカザフスタンで保有する最後のビットコイン採掘3拠点を売却し、事業の重心をAIデータセンターへ移す。8億ユーロを調達したことを受け、米国とスウェーデンの電力インフラや計算設備への投資を加速する方針だ。Cryptopolitanが13日に報じた。

SWIグループはユーロネクスト・アムステルダム上場企業だ。機関投資家から8億ユーロを調達し、企業価値は61億ユーロと評価された。2026年3月以降の資本調達額は累計で10億ユーロを超え、浮動株比率も約20%まで上昇した。

マックス・エルベ・ジョルジュCEOは、同社がビットコイン採掘事業にとどまる考えはないと明言した。今回の取引については、「コンピュート市場とデータセンター市場の変化のスピードに対応するため」と説明している。

調達資金は、米国とスウェーデンにおける電力インフラ、計算設備の整備、さらに両地域での開発パイプラインに投じる計画だ。

Genesis Digitalはかつて、カザフスタンで大規模なビットコイン採掘事業を展開していた。今回売却対象となった3拠点は、同国に残る最後の採掘施設だという。

一方でSWIグループは、テキサス、ノースカロライナ、サウスカロライナ、スウェーデンで保有する用地や系統接続は維持する方針だ。これらの資産は新ブランド「SWI Digital」の下でAIワークロード向けに転用し、Amazon Web ServicesやGoogle Cloudなどのハイパースケーラーを主要顧客として見込む。

今回の再編は、FTX問題に絡む持分構造の整理が一段落した後に本格化した。Alameda Researchは2021年からGenesis Digitalに10億ドル超を投資し、約20%の持分を取得していた。

その後、FTXが2022年11月に破綻すると、破産財団の管財人はGenesis Digitalに対し、約11億5000万ドル規模の訴訟を提起した。管財人側は当時の投資について、「最も無謀な投資の一つ」だとし、一部資産が過大評価されていたと主張していた。

ただ、この訴訟は2026年6月15日に取り下げられた。同日、SWIグループはGenesis Digitalの持分約40%を5億ドルで取得すると発表し、8月に取引を完了。議決権の70%を確保した。ジョルジュCEOは、FTXおよび他の株主との紛争は解消したと説明している。

市場環境も、採掘企業の戦略転換を後押ししている。上場採掘企業は、採掘収益の悪化を受け、AIや高性能コンピューティング(HPC)関連で700億ドル超の取引を公表した。

2025年4〜12月期における上場採掘企業のビットコイン1枚当たりの加重平均現金生産原価は約7万9995ドルだった。一方、同時期のビットコイン価格は6万8000〜7万ドルの範囲にとどまっていたという。

採掘収益性と市場価格の乖離が広がるなか、Cipher、TeraWulf、MARA Holdings、Core Scientific、Hut 8なども、電力容量をAI向け需要に振り向ける動きを進めている。

MARA Holdingsは4月、オハイオ州ハニバルで505MW規模の天然ガス発電所を運営するLong Ridge Energy and Powerを15億ドルで買収する方針を示した。

SWIグループによるカザフスタン採掘拠点の売却は、単なる資産処分にとどまらない。ビットコイン採掘インフラをAI向けの電力・データセンター資産へ転換する、業界再編の流れの一環といえる。同社はカザフスタン資産を整理する一方、米国とスウェーデンの用地や電力接続を確保し、AI需要への対応に経営資源を集中する構えだ。

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