ビットコインは13日、8万4000ドル台の回復を試したものの、上値の重さが意識される展開となった。米株が下げ渋ったことで一時8万3800ドル近辺まで上昇したが、8万4000ドル超に並ぶ厚い売り注文に加え、米国債利回りの高止まりとドル高が重荷となり、相場は8万3000ドル台でのレンジ推移にとどまった。
Cointelegraphによると、ビットコインは米株の取引開始前後に8万3800ドル近辺まで上昇し、前日の上げ幅をおおむね維持した。
この日は米株先物の軟調地合いが現物市場の取引開始前まで続いた。特に半導体株が下げを主導し、人工知能(AI)投資の負担や中国勢との競争激化への警戒感が広がっていた。
ただ、米国株は取引開始後に下げ幅を急速に縮小した。S&P500種株価指数とハイテク株中心のナスダック総合指数は一時プラス圏に浮上したが、その後はいずれも下落圏に戻り、下げ幅は0.5%未満にとどまった。リスク資産全般の動揺が広がらなかった一方、ビットコインも明確に上放れる展開には至らなかった。
需給面では、8万4000ドル超に厚い売り注文が控えていた。Coinglassのデータでは、取引所の注文板周辺の流動性がこの価格帯に集中しており、上値を抑える要因となった。価格は小幅高を維持しながらも、狭いレンジ内での推移が続いた。
マクロ環境も暗号資産市場の重荷となっている。ロイターによると、Wilson Asset Managementのポートフォリオ・ストラテジスト、デイミアン・ボイは、国債利回りの上昇そのものよりも債券市場のボラティリティの方が重要だと指摘した。債券の変動性が株式や暗号資産を含むリスク資産全般の評価に影響し始めているとの見方を示している。
オンチェーン分析会社CryptoQuantのアナリスト、ダークフォストも同日、ビットコイン強気派は「二重のマクロ要因」に直面していると分析した。米国債利回りが約25年ぶりの高水準圏で推移するなか、ドル高が重なっているという。ドル指数(DXY)は9月9日以降で5.5%上昇し、この日は102.57まで上げて2025年4月以来の高水準を付けた。
市場全体でリスク選好が弱まっていることも、暗号資産には逆風だ。ダークフォストは、こうした要因が市場流動性を制約し、機関投資家の信頼感を損ない、追加的なリスクテイクを手控えさせる可能性があるとみている。
当面の焦点は、米国のマクロ指標とリスク資産心理の持ち直しが確認できるかどうかになりそうだ。ビットコインは短期的に8万3000ドル台を維持しているが、8万4000ドル超の抵抗をこなせなければ、レンジ相場が続く可能性がある。反対に、上値に積み上がった売り注文が整理されれば、相場が再び方向感を探る展開となりそうだ。