Volkswagenの米国におけるEV販売が、2026年7〜9月に前年同期比で約90%減少した。主力EV「ID.4」の現地生産停止に加え、「ID. Buzz」の輸入中断や新モデル投入の遅れが重なり、販売可能な車両が大きく絞られたことが響いた。
InsideEVsによると、Volkswagenの7〜9月の米国EV販売台数は1421台だった。前年同期比では約90%の減少となる。
車種別では、電動SUV「ID.4」が989台と、前年同期の1万2470台から92.1%減った。電動ミニバン「ID. Buzz」も2469台から432台へ減少し、82.5%のマイナスとなった。
Volkswagenの米国での全車種販売台数は7万8179台で、前年同期比10.9%減だった。1〜9月累計のEV販売は6107台と、前年同期比77%減に落ち込んだ。
販売急減の主因は、EVの供給空白にある。Volkswagenは4月、米テネシー州チャタヌーガ工場でのID.4生産を停止し、SUVの生産をエンジン車中心に切り替える方針を決めた。
ID. Buzzも米国向けの輸入が止まっており、現在は在庫販売が中心となっている。Volkswagenは在庫圧縮に向け、ID.4に最大1万2500ドルの値引きを適用した。
一方、ID. Buzzは開始価格が6万1545ドルと高いうえ、航続距離も最大234マイル(約376.5キロ)にとどまる。このため、価格面での訴求力には限界があるとの見方が出ている。
Volkswagenは今後、電動SUV「ID.4」の後継モデルとなる「ID. Tiguan」を軸に、EVの車種構成を立て直す計画だ。欧州では2027年初めの投入を予定しているが、米国での発売時期は決まっていない。
ID. Buzzについては、充電性能とソフトウェア機能を改善した2028年モデルとして、米市場に再投入される見通しだ。
新モデルの空白をどう埋め、米EV市場で競争力を立て直せるかが、今後の販売回復の鍵を握る。