2020年3月から4581.94BTCを保有していたビットコインの大口ウォレットが12日(現地時間、以下同)、保有分の全額を新たに作成された5つのアドレスへ移した。移動総額は約3億7700万ドル(約565億5000万円)に上る。現時点で、取引所への入金や売却は確認されていない。
Decryptが13日に報じたところによると、この取引の手数料は732サトシだった。
取引はブロック高97万1126で確認された。当時のビットコイン価格は約8万2350ドル(約1235万2500円)。送金先の5アドレスのうち4つにはそれぞれ1000BTC、残る1つには581.94BTCが振り分けられた。13日時点で、これらのアドレスから追加の資金移動は確認されていない。ウォレットの実際の所有者や送金の目的も明らかになっていない。
このウォレットは2020年3月3日、5081.95BTCを3つのアドレスに分割した取引の一部として、4581.94BTCを受け取っていた。当時のビットコイン価格は約8830ドルで、受領時の評価額は約4050万ドル(約60億7500万円)だった。今回移動した資産の価値は、当時の約9.3倍に膨らんだ計算になる。
保有期間中、このウォレットは複数回の急落局面をくぐり抜けてきた。ビットコイン流入直後には、新型コロナウイルスの影響で保有資産の価値が約4050万ドルから1760万ドル前後まで縮小した。
2021年5月には、Teslaによるビットコイン決済停止と中国のマイニング取り締まりが重なり、同年4月に約2億9100万ドルあった評価額が、6月には1億3100万ドル前後まで下落した。
2022年にはTerra、Celsius、FTXの破綻が相次ぎ、評価額は約7100万ドルまで低下した。直近でも、ビットコインが昨年10月に付けた過去最高値(ATH)の12万4728ドルから5万7735ドルまで約54%下落する過程で、保有価値が5億7150万ドルから約2億6500万ドルへ減少した時期があった。
保有期間中には、外部からごく少額の暗号資産が送り付けられる「ダスト」入金も確認された。オンチェーンデータによると、2020年8月から2026年5月までにこのウォレットへ着金したダストは計22件。1件当たり546〜6953サトシで、現在の価格水準では大半が6ドル未満という。このうち16件は、87〜610のアドレスに少額をまとめて送る一括送金の一部として流入していた。
2025年1月28日には、このホエールのウォレットと先頭3文字および末尾4文字が一致する類似アドレスから、600サトシの入金があった。取引履歴上で似たアドレスを表示させ、誤ってコピーさせる「アドレスポイズニング」の可能性があるという。この送金元アドレスは2024年11月12日、資金を1401の出力に分割する取引でビットコインを受け取っていた。ホエールのウォレットに1回送金した後、残高はなくなった。なお、その他の送金元アドレスは、当該ウォレットとは形式の異なる「bc1」から始まるアドレスだった。
長期間動いていなかったウォレットから大規模なビットコインが移動した事例は、過去にもある。2025年7月には、14年間休眠していた8万BTCが移動し、当時の価値は約86億ドル(約1兆2900億円)だった。さらに10日後には、ビットコイン黎明期の「サトシ時代」のウォレットから4万9BTCがGalaxyへ送られた。Galaxyはその後、サトシ時代からビットコインを保有していた顧客に代わって、約90億ドル(約1兆3500億円)規模の売却を執行したと発表している。
現在、元のウォレットには約19ドル(約2850円)相当のダスト残高2万3288サトシだけが残っている。一方、資金を受け取った5つの新規アドレスは、送金された4581.94BTCをそのまま保有している。長期保有分の移動は確認されたものの、その後に取引所への入金や売却に進むかどうかは、なお確認されていない。