写真=Amazon

Amazonが倉庫ロボットの増産と配備拡大を進めている。運用台数はすでに100万台を超えており、米国内では新たな生産拠点の整備にも乗り出す。一方で、自動化が作業者の負担軽減につながる半面、反復動作の増加や作業速度の上昇を通じて負傷リスクを高める可能性も指摘されている。

米ITメディアのArs Technicaが12日(現地時間)に報じたところによると、Amazonはテキサス州オースティンとインディアナ州グリーンウッドに、ロボットの生産施設を新設する計画だ。

Amazonの2025年の年次報告書によると、同社の従業員数は正社員と時給制社員を合わせて157万6000人。ロボットは重量物の搬送や高所の商品取り出しなど、負傷リスクが高い作業を担うことで、従業員の身体的負担を減らせると同社は説明している。

ただ、労働団体や研究者の間では、ロボット導入が作業スピードを引き上げ、労働強度を高める可能性があるとの見方も根強い。

Amazonは2012年にロボット企業Kiva Systemsを買収して以降、物流の自動化を進めてきた。現在稼働するロボットの多くは、商品を載せた棚を作業者のもとへ運ぶ自走式の移動ロボットだ。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は、今年中にロボットアームの規模を従来の2倍超に拡大する計画を明らかにしている。稼働中のロボットアームはすでに数千台規模に達しているという。

ロボットアームの機能も高度化している。「ロビン」は箱や封筒が混在する荷物をつかんで仕分けし、「カーディナル」は最大50ポンド(約23kg)の小包をカートに積み込む。「スパロー」は多様な商品を認識してつかみ、移し替えるためにAIの基盤モデルを活用する。

「バルカン」は視覚情報と力覚フィードバックセンサーを組み合わせ、保管箱の中に商品を入れたり取り出したりできる。Amazonは2027年からバルカンの配備を本格的に拡大する計画だ。

自動化が作業者の安全に与える影響を巡っては、評価が分かれている。2025年4月に学術誌「ILR Review」に掲載された研究では、ロボットを導入した物流センターは従来型のセンターに比べて重傷事故が40%少なかった一方、反復動作に起因する軽微な負傷は77%多かった。

この研究は、2016年から2019年にかけてのAmazonの物流センター150拠点超の週次データの一部を分析対象としたものだ。研究チームは、ロボット導入によって作業速度が上がり、反復動作が増えたことが軽傷の増加に関係している可能性があるとみている。

これに対しAmazonは、こうした批判は最新のロボット導入以前の古い資料に依拠していると反論した。同社によると、2019年以降、全体の記録対象事故率は43%、休業を伴う事故率は70%低下したという。

また、自動化施設では信頼性、保守、エンジニアリング分野の人材需要が高まっており、ロボット保守技術者の人数も30%以上増えたと説明している。

その一方で、自動化が中長期的な採用需要を減らす可能性も取り沙汰されている。2025年10月にThe New York Timesが報じたAmazonの内部戦略文書には、ロボット導入の拡大によって、米国での想定採用需要を2027年までに16万人超、2033年までに60万人減らせるとの見通しが記されていたという。

Amazonは当時、この文書について、社内の一部組織の見解を反映したものにすぎないと説明していた。

ロボット導入を加速させるAmazonにとって、生産性向上と作業者の安全確保をどう両立させるかが引き続き問われることになりそうだ。

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