写真=「AI時代のサイバーセキュリティ」メディアラウンドテーブルであいさつするCisco Koreaのチェ・ジヒ代表

Ciscoは13日、記者懇談会で企業のセキュリティ対応力と、その足を引っ張る組織的要因を分析した調査レポート「Relentless Defense Report」を公表した。調査では、意思決定の遅れや部門間のサイロ化といった組織内摩擦が、AI時代の防御力を左右する主要因として浮かび上がった。

レポートは、世界30カ国のセキュリティ専門家8000人を対象に実施した調査を基にまとめたもの。組織がIT環境全体をどこまで保護できているかに加え、脅威の検知、対応、解決までをどれだけ迅速に進められるか、また対応を遅らせる要因は何かを総合的に評価した。

その結果、世界の組織におけるサイバー防御力の平均スコアは100点満点中64点だった。韓国は58点となった。

Ciscoは、防御力の強化を阻む主因として組織内摩擦を挙げた。役割と責任の曖昧さ、複雑な承認プロセス、部門間のサイロ化が、IT部門や購買部門、経営層を含む組織全体にまたがっており、セキュリティ部門だけでは解決しにくい構造だとしている。

AI活用の効果も確認された。調査では、セキュリティ実務者の10人中8人超が、AIの活用によって脅威の検知・対応能力が少なくとも25%向上したと回答した。韓国企業も同水準だった。さらに、4人に1人超はAIによって業務負担が大幅に軽減されたと答え、韓国企業では5人に1人だった。

一方で、AIベースのセキュリティ機能を本格活用している組織は半数に届かなかった。分野別ではネットワークセキュリティでの活用が最も進んだ半面、セキュリティ運用や調査分野では最も低かった。セキュリティチームの負荷をAIで直接減らせる領域であるにもかかわらず、導入は相対的に遅れているという。

セキュリティ運用にAIエージェントを大規模に導入している組織も3分の1にとどまった。韓国企業では5分の1だった。導入の障壁としては、データ漏えい、システム侵害、委託先でのデータ取り扱いに対する懸念が挙がった。

レポートには、Ciscoが最も高い水準のセキュリティ能力を持つ層として分類した「Relentless Defenders」の分析も盛り込まれた。

今回の調査で、Relentless Defendersの比率は全体の8%にとどまり、韓国では1%に過ぎなかった。

Relentless Defendersは、組織内摩擦の抑制や、社内で開発するAIの管理により積極的な傾向がみられた。セキュリティ運用においてAIの効果が高いと答えた比率も、他のグループを上回った。

Relentless Defendersの83%は、セキュリティ、ネットワーク、インフラ全般で情報とツールを共有し、統合された単一のセキュリティチームとして運営していた。その他のグループでは37%にとどまった。

また、Relentless Defendersの86%は、AIエージェントと非人間ID(non-human identities)に一貫したセキュリティ統制を適用していたのに対し、その他のグループは37%だった。AIエージェントが侵害された際に検知・対応できると答えた比率は77%で、その他のグループの51%を上回った。AIによって脅威検知の速度が100%超改善したとする比率も25%に達し、その他のグループの7%を大きく上回った。

Ciscoのオーストラリア・ニュージーランド担当CTO、カール・ソルダー氏は「ネットワークにおけるAI導入は必然だった。すでに数年前から、パケット単位で発生する脅威のスピードに人間だけでは対応しきれなくなっていた」と説明した。

その上で同氏は、「ネットワークはリアルタイムで脅威に対処できるよう進化してきた。いま、セキュリティ運用も同じ変曲点に差しかかっている。先行する組織は、AIをSOCにチャットボットを追加するような使い方にとどめていない。ネットワークファブリックそのものを、セキュリティスタック全体のセンサーであり、ポリシー執行エンジンとして活用している」と述べた。

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