家庭やオフィスで使う延長コードを長期間差しっぱなしにしたり、固定配線の代わりに使ったりすると、過熱や火災につながるおそれがあるとして注意が呼びかけられている。仮設用の電源確保を前提とした製品を常設用途で使うことが、事故の一因になり得るという。
米ITメディアEngadgetが12日(現地時間)に報じた。国際電気安全財団(ESFI)は、延長コードを長く使い続けると、時間の経過とともに被覆や接続部が傷み、感電や火災のリスクが高まる可能性があると指摘している。
もっとも、何も接続していない延長コードをコンセントに挿したままにしているだけで、直ちに火災が起きるわけではない。問題となるのは、長期使用によって家具に押しつぶされたり、配線が傷んだりすることに加え、許容容量を超える機器をつなぐケースだ。
米国国家電気規程(NEC)400.12条では、延長コードなどの可とうケーブルを建物の固定配線の代替として使うことを禁じている。壁や床、天井の内部に通したり、ドアの隙間を通したりする使い方も制限の対象となる。
使用期間を巡る誤解もある。米国では、仮設の装飾照明などに90日制限が設けられているが、すべての延長コードを90日を超えて使用すると違法になる、という意味ではない。
特に避けるべきなのが、延長コードをカーペットや家具の下に通す使い方だ。放熱が妨げられるうえ、圧迫や摩耗で配線が傷み、火災リスクが高まるおそれがある。複数の延長コードを連結して使うことも危険だという。
接続する機器の消費電力にも注意が必要だ。延長コードは製品ごとに許容電流や線材の太さが異なり、壁のコンセント側のブレーカーが正常に作動しても、延長コード自体が過熱する場合がある。米消防当局は、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や、移動式の暖房機器は壁面コンセントに直接つなぐよう推奨している。
実際、今年7月には米バージニア州ラウドン郡で、延長コードの電気的故障が原因とされる住宅火災が発生し、住民5人が別の住居への移動を余儀なくされた。延長コードの使用期間や、どの機器が接続されていたかは確認されていない。
専門家は、延長コードの定格容量を確認するとともに、被覆の傷みやプラグの過熱が見つかった場合は直ちに使用を中止するよう助言している。仮設用途が終わった延長コードは取り外し、常時電源が必要な場所では固定コンセントを増設する方が安全だとしている。