ビットコインは重要なサポート水準とされる8万2500ドルを維持して週を終えた。市場の関心は、今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)に集まっている。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、金融政策の先行きを占う重要材料になるためだ。
12日付けのCointelegraphによると、ビットコインはBitstampでおおむね8万3700ドル前後で推移した。週足の終値は前週比3.2%安だったが、8万2500ドルは維持した。これにより、従来の長期レンジとされる6万〜8万ドル帯への再突入は回避した。
米国の9月CPIは14日、PPIは15日に発表される。市場では、9月CPIの前年同月比上昇率が8月の3.4%から3.7%に加速すると見込まれている。中東での軍事衝突に伴う燃料価格の上昇が背景にある。PPIについても、前月比上昇率は8月の0.2%から9月は0.3%へ拡大する見通しだ。
一方、インフレ指標が市場予想を下回れば、暗号資産や株式、金には追い風になり得るとの見方もある。KCM Tradeのチーフ市場アナリスト、ティム・ウォテラー氏は、想定より低い物価指標が追加引き締め観測や実質金利上昇への警戒を和らげ、短期的な上昇材料になり得るとの見方を示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利を巡る市場の見方にも変化が出ている。CME FedWatchによると、市場は28日の会合で政策金利が現行の3.75〜4.00%を上回る可能性を18.8%織り込んでいる。12月会合では、25bp(0.25%)の利上げ確率が70.6%と見込まれている。ケビン・ウォッシュFRB議長は17日、タイ・バンコクで開かれるイベントで、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事と対談する予定だ。
債券市場では、金利上昇はいったん一服した。米国債利回りは先週記録した24年ぶりの高水準からやや低下し、12日時点で10年債は5.24%、30年債は5.60%だった。週明けの株価指数先物も堅調で、S&P500先物は0.25%上昇し、過去最高値圏で推移した。
エネルギー価格を巡る不透明感もなお残る。ドナルド・トランプ米大統領は、ロシア産ディーゼル30万トンの購入契約と、ロシア・ウクライナ間のエネルギー停戦に言及したが、原油価格の反応は限られた。その後、ボロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領が当該停戦について「知らない」と述べ、関連発言の真偽を巡る不透明感が残った。
テクニカル面では、8万2500ドルが重要なサポートとして意識されている。トレーダーのレクト・キャピタル氏は、ビットコインがこの水準を上回って週足を終えれば、サポート維持を確認する動きになると指摘した。現在の水準で再蓄積が進む余地が生まれ、2022年の弱気相場後の反発局面に似た値動きが再現される可能性があるとみている。
トレーダーのアクセル・キバルド氏も、ビットコインは主要サポートの強さを改めて試す局面にあると分析した。S&P500が重要な価格帯を複数回試した後に上昇基調を維持したように、ビットコインもサポートのテストを繰り返しこなせば反発余地があるとの見方だ。
今週のビットコイン相場は、8万2500ドルを維持できるかどうかと、米インフレ指標の結果が短期的な方向感を左右しそうだ。物価指標が予想を上回れば、FRBの追加引き締め懸念が強まりやすい。逆に予想を下回れば、サポート維持を足掛かりに反発が強まる可能性がある。