Palantirの最高技術責任者(CTO)を務めるシャム・サンカル氏は12日、一部のAI研究者がAIへの強い信頼を示すために喫煙を始めたと語った。AIはいずれがんを治すとの見方が背景にあるとの説明だが、具体的な人物名や根拠は示していない。
米Business Insiderによると、サンカル氏は同日、CBS Newsの時事番組に出演し、AI研究者の一部にこうした行動が見られると述べた。
同氏は「多くのAI研究者が、自分がAIをどれほど強く信じているかを他の研究者に示すため、喫煙を始めた」と主張。「AIはいずれがんを治すと考えている。それほどまでに確信していることの表れだ」と説明した。
ただ、サンカル氏はこの主張を裏付ける具体例や証拠には触れなかった。喫煙は現在も予防可能な疾病や死亡の主要因の一つであり、AIの進展によって健康リスクがなくなったわけではない。
こうした発言は、健康管理や生産性向上を重視するテック業界の文化とは対照的な動きとしても受け止められる。冷水浴や睡眠トラッキング、ペプチド治療といった身体管理への関心が広がる一方で、一部の起業家やエンジニア、投資家の間では、喫煙を社交やネットワーキングの手段として受け入れる向きがあるという。
たばこ休憩を人と会う機会として活用する例のほか、典型的なスタートアップ創業者像とは異なる印象を与える手段として捉えるケースもあるとした。
AIへの楽観と喫煙を結び付ける見方は他にもある。AIウェアラブルのスタートアップ「Friend」の創業者、アビ・シフマン氏は以前、Business Insiderに対し、「肺がんになる頃には、われわれのAIロボットがすでにがんを治しているだろう」と語ったという。
こうした見方は、喫煙に伴う健康リスクもAIの進展によって最終的には解決されるとの期待が、テック業界の一部に存在することをうかがわせる。
サンカル氏は今回のインタビューで、こうした喫煙の例に触れながら、シリコンバレーのAI熱を「大衆的な精神異常」「社会的妄想」と批判した。特に、AIの安全性を強調する人々の一部が、汎用人工知能(AGI)を「機械の神」のように扱っていると指摘した。
さらに、哲学者ブレーズ・パスカルの「神の形をした空白」という概念を引き合いに出し、シリコンバレーの一部はその空白をAGIへの準宗教的な信念で埋めていると主張した。「この技術を作っているシリコンバレーの多くの人々が、心の空白をAGIという機械の神で満たしている点を理解することが重要だ」と述べた。