写真=BYD

中国の電気自動車大手BYDは、欧州市場で大型EV SUVの投入を進める。パリ・モーターショーで公開した7人乗りのフラッグシップモデル「ATTO 8」では、第2世代ブレードバッテリーと超急速充電技術を前面に打ち出し、長い航続距離と短い充電時間を訴求する。

電気自動車専門メディアElectrekが12日(現地時間)に報じたところによると、BYDはパリ・モーターショーでATTO 8を公開した。第2世代ブレードバッテリーとフラッシュ充電技術を採用した新型車で、欧州市場では初披露となる。

ATTO 8は、容量115kWhの第2世代ブレードバッテリーを搭載する。後輪駆動モデルの航続距離はWLTP基準で最大405マイル(約652km)。BYDは、ロンドンからエディンバラまで走行できる水準だとアピールした。

BYDは充電性能をATTO 8の大きな訴求点に据える。フラッシュ充電システムにより、バッテリー残量10%から80%までは5分、10%から97%までは9分で充電できるとしている。

マイナス30度の環境下でも、20%から97%までの充電に要する時間は12分だという。BYDは、競合SUVの10%から80%までの充電時間と比べて約3分の1だと強調した。

BYDの副社長、ステラ・リー氏はパリ・モーターショーで、ATTO 8を最新技術を盛り込んだ代表モデルとして紹介した。BYDは知能技術の実用化に注力しており、第2世代ブレードバッテリーとフラッシュ充電システムを中核技術に位置付けていると説明した。

ボディサイズは全長5040mm、全幅1996mm、全高1760mm。Hyundai Motorの「IONIQ 9」やKiaの「EV9」と競合が見込まれる大型EV SUVで、パワートレインは後輪駆動と四輪駆動を用意する。

後輪駆動モデルはシングルモーターを搭載し、最高出力456馬力、最大トルク365Nmを発揮する。0~100km/h加速は8秒。

四輪駆動モデル「Excellence」はフロントモーターを追加し、システム合算で最高出力764馬力、最大トルク775Nmを発揮する。0~100km/h加速は4.6秒で、航続距離はWLTP基準で374マイル(約602km)としている。

室内には2.39平方メートルのパノラマガラスルーフを採用し、10.25インチのデジタルメーター、26インチのヘッドアップディスプレイ、15.6インチのセンターディスプレイを備える。インフォテインメントはGoogleビルトインに対応する。

装備面では、7人乗り需要を意識した構成とした。前席と2列目の左右席にはシートヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能を搭載。後席には独立空調の操作パネルを設け、全席に天然皮革を用いた。

後輪駆動モデルには10スピーカーのオーディオを搭載し、「Excellence」には21スピーカーのDynaudioオーディオと前席側の冷蔵収納スペースを備える。

荷室容量は、2列目と3列目シートを倒した状態で最大1960L。3列目を使用した状態でも270Lを確保し、フロントトランク容量は136Lとした。

欧州での発売は2027年1~3月期を予定しており、価格は公表していない。BYDはATTO 8を、7人乗りプラグインハイブリッドSUV「Ti 7」の上位モデルに位置付ける方針だ。

BYDはすでに欧州で7人乗りEV SUV「Tang」を販売している。ドイツでの通常価格は約7万5000ユーロだが、足元では4万7990ユーロで販売されている。

ATTO 8の価格設定と既存モデルとのすみ分けは、BYDが欧州の大型EV SUV市場で競争力をどこまで高められるかを占う焦点となりそうだ。

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