AmazonとMicrosoftは、自治体とのデータセンター協議でNDAを使わない方針を示した。写真=Microsoft

AmazonとMicrosoftは、米国の地方自治体とデータセンター計画を協議する際、秘密保持契約(NDA)を使わない方針を打ち出した。AIインフラ拡大を巡って地域社会の反発が強まるなか、交渉の透明性を高め、住民の不信感を和らげる狙いがある。

米ITメディアのTechCrunchが10月11日(現地時間)に報じた。Amazonは、データセンター立地地域への貢献策を公表するなかで、自治体との協議におけるNDAの利用をやめたと明らかにした。Microsoftもこれに先立ち、同様の方針を示している。

NDAは、交渉過程で知り得た情報を外部に開示しないよう定める契約だ。データセンター事業では、用地の選定や開発条件、事業主体などを非公開にする目的で使われてきた。

ただ、こうした非公開の交渉慣行が住民の不信感を強めてきたとの指摘は多い。データセンターを巡っては、電力や用水の大量消費、不動産価値への影響を懸念する声が広がっている。にもかかわらず、計画の進行状況や実際の事業主体が見えにくいケースもあったという。TechCrunchは、多くの案件が事実上、水面下で進められてきたとしたうえで、こうした慣行が業界への反発を強めた主因の一つだと伝えた。

米国では各地で、データセンター開発を一時的に見合わせる動きも出ている。サンフランシスコは最近、新設データセンターの承認を45日間見合わせた。ニューヨーク州も、環境影響の検討を理由に、大型データセンターの新規許可を最長1年停止した。

一方で、こうした規制の効果を疑問視する見方もある。TechCrunchは、データセンターが実際に稼働するまでには2~5年かかる可能性があり、短期的な猶予措置が事業の進展に与える影響は限られると分析した。そのうえで、NDAの不使用が住民の反対を直ちに解消するわけではないとしても、信頼回復に向けた第一歩にはなり得ると評価した。

Amazonは今後5年間で、データセンターが立地する地域社会に10億ドル超を追加投資する計画も発表した。業界が非公開交渉の慣行を改め、住民との対話をどこまで進められるかが、今後のデータセンター開発を左右しそうだ。

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