XRPの収益商品を巡り、長期のロックアップ条件や手数料控除後の実質利回りを問う声が出ている。表面利回りだけでなく、出金条件や収益源、カストディ形態、元本毀損リスクまで含めて比較すべきだという指摘だ。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが8日、報じた。XRPアナリストのCrypto EriはX(旧Twitter)で、「選択肢があるのに、5万XRPを6カ月間ロックして利回りを得ることに、なぜ同意するのか理由が見当たらない」と投稿した。具体的にどの商品を念頭に置いた発言かは明らかになっていない。
関連する事例としては、DAG Wealthの運用サービスがある。同社は運用口座の最低基準として、5万XRPまたは25万ドル相当の資産を提示している。一方、同社のWebサイトやローンチ資料には、XRPを6カ月間預け入れる条件は明記されていない。
類似の運用スキームとして、Parataxisが9月に投入したシステマティック運用戦略もある。適格投資家がAnchorage Digitalの分別管理口座にXRPを預けると、Parataxis Capital Managementがその資産を担保に、顧客に代わって取引を執行する仕組みだ。XRPは顧客名義のまま保有され、取引損益も同じ口座に反映される。
このスキームには、投資助言会社、適格カストディ機関、外部の運用会社が関与する。手数料体系の詳細は公表されていない。なお、5万XRPという水準はDAG Wealthの運用口座における最低基準であり、すべての顧客がその数量の全額を同戦略に充てる必要があることを意味するわけではない。
代替手段としては、Flareベースの商品も挙がっている。XRPをFXRPに変換し、融資や流動性供給、構造化された収益戦略に活用する手法だ。ただし、XRPそのものにステーキング報酬があるわけではなく、収益は融資、オプション取引、市場中立戦略、流動性供給、リスク引き受けといった別の活動から生じる。
週内に稼働したFirelightでは、FXRPを預けた利用者にstXRPが付与され、預託資本はDeFiのカバー市場支援に使われる。現在のアンステーキング期間は1〜2日だが、30日のカバー期間が適用されると、出金までの所要期間はおよそ30〜60日に延びる見通しだ。カバーが有効化された後、検証済みの請求額がプロトコルの一次損失バッファーを上回った場合には、預け入れ資産が削減される可能性もある。
Flareは、XRPLウォレットから利用できるボルトも支援している。earnXRPボルトは、融資、流動性供給、構造化戦略を組み合わせて収益を狙う仕組みで、通常の出金処理は1〜2日としている。固定の6カ月契約はないが、FXRPのインフラ、スマートコントラクト、運用戦略に伴うリスクは残る。
Doppler Financeは、XRP Ledger上でネイティブXRPを直接受け入れている。XRPボルトでは収益を自動で再投資し、出金までの待機期間を7日としている。同社は、ネットワークコストを除き、入出金に関するプラットフォーム手数料は課さないとしている。
一方で、Doppler Financeの収益源がすべてオンチェーンにあるわけではない。現時点では、機関向けカストディや委任スキーム、一部の中央集権型プラットフォームを活用し、CeDeFiとRWAベースの収益を生み出している。オンチェーンで直接発生する収益はないと明記しており、カストディリスクや取引相手方リスク、元本毀損の可能性を伴う。米国および一部の制限地域の利用者はXRPボルトを利用できない。
XRPLに組み込まれた自動マーケットメーカー(AMM)も、もう一つの選択肢とされる。流動性提供者は外部運用者に資産運用を委ねることなく、取引手数料を得られる。ただし、2資産をペアで供給する必要があり、価格変動に伴うインパーマネントロスのリスクを負う。
商品を比較する際には、表面利回りだけで判断するのは難しい。手数料控除後の純収益、出金条件、収益源の透明性に加え、専門運用サービスであれば助言・カストディ・取引管理のコスト、DeFi商品であればスマートコントラクトリスクや預託資産の削減リスク、中央集権的な運用スキームであればカストディリスクや取引相手方リスクを確認する必要がある。
今回の論点は、XRP収益商品が単純な金利比較では測れないことを改めて示した。実際の比較軸は、手数料差し引き後の実質収益、資産管理の仕組み、出金までの期間、元本毀損の可能性まで含めた商品設計全体にある。XRPベースの収益モデルが多様化するほど、こうした条件開示の重要性は一段と高まりそうだ。
Crypto EriはXで、「選択肢があるのに、中間レイヤーが増えることで取り分が薄まる形で、5万XRPを6カ月ロックアップして利回りを得ることに同意する理由が見当たらない。DYOR」とも投稿している。