写真=ヤン・ルクン氏(Ami Labs会長)

世界のAI専門家は12日、韓国独自のAIモデル開発と国際共同開発は両立可能だとして、韓国企業や研究機関にグローバル連携への参画を呼びかけた。共通の基盤モデルを共同開発する枠組み「Project Tapestry」への参画も促した。

ヤン・ルクン氏(Ami Labs会長)、クリストファー・グエン氏(Aitomatic代表)、アンソニー・アヌンジアタ氏(AI Alliance共同議長)、ジミー・リー氏(ASI Foundry会長)は同日、ソウル・中区のウェスティン朝鮮ホテルで開かれた「産業AIグローバル協力」記者懇談会に出席し、AIの共同開発と産業連携の方向性について意見を交わした。アヌンジアタ氏はこの場で、グローバル基盤モデルの共同開発プロジェクト「Project Tapestry」を紹介し、韓国企業と研究機関の参加を呼びかけた。

Project Tapestryは、複数国の企業や研究機関が計算資源と研究力を持ち寄り、共通のAI基盤モデルを開発する構想だ。参加国にはインド、ベトナムのほか、米国、日本、フランス、オーストラリアなどが含まれるという。

同プロジェクトでは、参加機関が原データの管理権を維持したまま学習に貢献し、開発した基盤モデルを各産業や用途に応じて活用できる仕組みだと説明した。

アヌンジアタ氏は、独自モデルの開発力を持つ韓国にとっても国際共同開発に利点があるのかとの質問に対し、「韓国の独自モデル開発とTapestryモデルは100%両立可能だ」と述べた。

そのうえで、基盤モデルの事前学習には巨額のコストがかかる一方、投資対効果は徐々に低下していると指摘。共通基盤モデルは国際協力で開発し、各国や各企業は競争力を発揮できる領域に集中するのが有効だとの見方を示した。

グエン氏も「なぜ両方やらないのか」と述べ、独自AIの開発と国際共同開発は並行して進められると強調した。

また、参加機関は共通基盤モデルを追加学習した産業特化モデルを独自に活用できるため、企業が蓄積してきた産業データや専門知識を外部に公開せずに協力できると説明した。

ルクン氏は、AIの基盤モデルは長期的にオープンなインフラへと発展していくとの見通しを示した。

同氏は「AIは不可欠なインフラになりつつあり、歴史的に技術インフラはオープンな形で発展してきた」と指摘。オープンソースの基盤モデルを土台に、各企業が独自システムを構築する方向で産業が発展していくとの認識を示した。

あわせて、少数の米国企業や中国企業が開発したAIが、各国の情報アクセスを左右する構図は望ましくないと強調した。各国の言語や文化、価値観を反映したAIを実現するうえでも、国際共同開発が必要だと説明した。

韓国の製造業の競争力も、グローバルなAI協力における強みとして挙げられた。

グエン氏は、韓国の造船業や製造業の現場について、AIが実環境を学習する場として高く評価した。産業現場で蓄積された専門知識と経験が、今後のAI競争力を左右し得ると述べた。

そのうえで、大規模モデルやインフラ整備に資源を集中させるより、産業現場への適用と活用に投資する必要があると助言した。

ルクン氏も、韓国は半導体、自動車、造船といった強固な産業基盤に加え、優れた研究人材も備えているとして、フィジカルAIやロボット分野で重要な役割を担えるとの見方を示した。

ハ・ジョンウ国家AI戦略委員会副委員長は懇談会後、記者団に対し、韓国企業のProject Tapestry参加の可能性について「企業が判断することだ」と述べた。一方で、「参加の意思がある場合、国家として必要な部分を検討できる」とも語り、必要な支援を検討する余地があるとの認識を示した。

ハ副委員長はまた、Project Tapestryが原データを直接共有するのではなく、学習済みモデルをやり取りする方式だとも説明した。

これに先立ち、ハ副委員長は祝辞で「今後重要なのは、誰がすべてを単独で開発するかではなく、それぞれの強みを基に技術、データ、研究力をどう結びつけるかだ」と強調した。

そのうえで、「企業と国家が保有する中核データと技術の管理権を維持しながら、世界の研究者や企業が共同で研究し、成果を生み出せる新たな協力の形が必要だ」と述べた。

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