ビットコインは8万3600ドル近辺まで反発したものの、市場ではなお下値警戒が強い。予測市場では10月中に8万ドルを下回る確率が67%とされ、当面は8万3000ドル台を回復して維持できるかが焦点になっている。
Decryptが9日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは同日、一時8万2837ドルを付けた。足元ではいったん持ち直しているが、予測市場では10月中の8万ドル割れを見込む向きが優勢だ。
暗号資産市場全体も同日は下げ止まった。時価総額は前日比2.1%高の2兆8900億ドルとなったが、1週間前には3兆ドルを超えていた。今回の反発は、直近の下落分の一部を取り戻すにとどまっている。ビットコインは前日に8万427ドルまで下落し、9月初旬以来の安値を付けた後、小幅に戻した。
投資家心理も悪化した。恐怖・強欲指数は56まで低下し、中立圏に入った。10月2日には71で強欲圏にあったが、その後の短期調整を経てリスク選好は鈍っている。
現物ETFからの資金流出も続いている。8日の流出額は4億8490万ドルと、6月25日以来で最大の1日当たり流出を記録した。9日も2億4400万ドルの純流出となった。
背景には金利上昇がある。米10年債利回りは5.32%まで上昇した。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)の議事要旨で年末の追加利上げの可能性が示唆されたことも、リスク資産への投資心理を圧迫したとみられる。
短期トレンドが明確に転換したとは言いにくい。ビットコインはこの日、8万1711ドルで始まり、8万1553ドル〜8万3443ドルのレンジで推移した。4時間足では50期間指数移動平均線を下回っており、短期的なトレンド転換はなお確認されていない。
予測市場でも慎重な見方が優勢だ。Myriadでは、ビットコインが10月中に8万ドルを下回る確率は67%とされた。7万7500ドル到達は40%、7万5000ドルは24%だった。別の週次の予測市場では、今週を8万7500ドル以上で終える確率は49%にとどまっており、参加者が強い上昇トレンドの再開よりも、レンジ圧縮と追加下落の余地を意識していることがうかがえる。
一方で、上昇トレンドそのものが完全に崩れたとみるのは早計との見方もある。日足チャートの平均方向性指数(ADX)は37.9と、トレンドの有効性の目安とされる25を上回った。方向性指標でも、買い圧力を示すDI+が売り圧力を示すDI-を上回っており、調整局面を経ても大局では上向きとの解釈が可能だ。
価格面では、8万3000ドル前後が短期の分岐点として意識されている。Bitwise Europeのルーク・ディンズ氏は、この水準について、現物ETF勢の平均取得コストと過去最高値更新時のゾーンが重なると指摘し、戻り局面で最初の試金石になるとの見方を示した。同氏は、この価格帯を回復すれば8万4433ドル近辺が再び視野に入るとみている。一方、9月高値の8万7354.33ドルは、日足終値ベースで上抜ける必要がある上値抵抗として残る。
このため、目先は短期反発の勢いそのものよりも、現物ETFの資金フローや金利環境、そしてビットコインが8万3000ドル台を回復して定着できるかが主な注目材料となりそうだ。