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Avalanche創業者のエミン・ギュン・シレル氏が、AIによるブロックチェーン関連ソフトウェアへの攻撃リスクに警鐘を鳴らした。暗号技術そのものが破られる将来シナリオよりも、AIがXRPLを含むコードベースに潜む未発見の脆弱性を先に見つけ出し、悪用する可能性の方が現実的だという。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが9日(現地時間)、報じた。同氏は、業界内で暗号技術の破綻ばかりが過度に注目されているとし、実際にはAIがブロックチェーンソフトウェアの脆弱性を人間に先んじて発見するリスクに目を向けるべきだと主張した。

シレル氏はX(旧Twitter)への投稿で、「ECDSAが破られるよりはるか前に、AIがシステムレベルのバグを悪用する事態を見ることになる」と述べた。ECDSAは、暗号資産の取引承認に使われる電子署名方式を指す。

同氏によれば、リスクはブロックチェーンのプロトコル自体にとどまらない。より高度なAIモデルが、ブロックチェーンソフトウェアや関連ライブラリ、暗号資産ウォレット全般に存在する、人間が見落としてきたバグを発見する可能性があるという。こうした脆弱性が悪用されれば、AIが広く使われる暗号技術を直接破る前の段階でも、数十億ドル規模の被害が生じかねないと警告した。

特にXRPLを例に挙げ、表面化していないゼロデイ脆弱性の可能性にも言及した。「Rippleのコード、あるいは価値は高いが利用の少ない他チェーンのコードに、人間には見つけにくくAIには容易に見つけられるゼロデイバグが存在しないと考えるなら、それは錯覚だ」と指摘した。

もっとも、シレル氏は未修正のXRPLに関する具体的な脆弱性を示しておらず、AIが実際にネットワーク攻撃に使われた事例も確認されていない。

今回の発言は、XRPLのセキュリティを巡る懸念が再び注目を集めるタイミングと重なった。XRPLの開発チームは9月25日、緊急のソフトウェア更新を配布。当初はセキュリティ修正に関するソースコードを公開していなかったが、その後、技術的な振り返りとあわせて公開する方針を示している。

こうした問題提起は、暗号資産業界で続くAIセキュリティ論争とも重なる。Ethereum共同創業者のビタリック・ブテリン氏は、AIによる数学的発見が2年以内に格子ベース暗号の前提を揺るがす可能性があると警告したことがある。一方、Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は、こうした懸念は推測の域を出ないと反論した。Ethereum研究者のジャスティン・ドレイク氏も、将来的にAIがECDSAを攻撃する可能性に懸念を示している。

シレル氏は、そうした将来リスクそのものを否定しているわけではない。ただ、業界が当面より強く警戒すべきなのは、将来の暗号技術の破綻ではなく、すでに存在している可能性のあるソフトウェア脆弱性だとの見方を示した。最近の緊急更新も踏まえ、ブロックチェーンの安全性を巡る議論は、暗号アルゴリズムそのものから、コードや運用体制全般へと広がりつつある。

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