Coinbaseは、Deribitと機関投資家向けの国際デリバティブ取引基盤を統合した。海外の機関顧客はビットコインとイーサリアムのオプションに加え、無期限先物や期限付き先物を単一の基盤で利用できるようになる。一方、米国向けのオプション取引は別手続きで導入し、第4四半期に開始する予定だ。
米国のブロックチェーンメディアのThe Defiantが11日(現地時間)に報じた。Coinbaseは国際取引所の機関投資家向けアカウントを、Deribitを基盤とする取引環境へ移行。これまで両プラットフォームに分散していた流動性を集約したという。
ブライアン・アームストロングCEOも、この取り組みを確認した。Coinbaseの案内によると、アカウント、ポジション、残高の移管は10月1日に実施した。
今回の統合により、海外の機関顧客はビットコインとイーサリアムの上場オプションに加え、無期限先物と期限付き先物を同一の取引基盤で扱えるようになった。
取引スキームはCoinbase Bermuda Limitedが担う。同社は機関顧客のブローカー兼カストディアンとして注文をDeribitに取り次いで執行し、顧客の主要な窓口としての役割も維持する。
一方、Deribitのプラットフォームには米国を含め利用制限が残っており、米国顧客向け商品の提供は別の手続きとなる。
米国内のCoinbase Prime顧客には別スケジュールが適用される。Coinbaseが10月2日に更新した案内文では、米国の先物ブローカーであるCoinbase Financial Marketsを通じてオプション取引のオンボーディングを開始し、実際の取引は第4四半期に始まる予定だとした。
Coinbase Institutionalは10月7日、このサービスを米国を含む国際デリバティブ取引向けの「単一担保プール」と説明した。
統合後、海外の機関顧客アカウントの標準的な証拠金方式はクロスマージン方式となる。1つのアカウント内で複数の担保資産をまとめて運用する仕組みだ。
ただし、各ポジションの証拠金は個別に算出したうえで合算する。担保資産と決済通貨が異なる場合には、ヘアカットと担保手数料が適用される。
機関顧客は必要に応じて、ポートフォリオマージンや資産分離モードも選択できる。ポートフォリオマージンはポジション全体のリスクを反映する方式で、資産分離モードは資産を区分して維持する仕組みだ。
選択する方式によって、取引ポートフォリオに必要な担保の規模は変動する。
今回の統合は、Coinbaseが9月28日にCoinbase Clearingについて米商品先物取引委員会(CFTC)の承認を得たと発表した後に実施された。Coinbaseは、新設子会社がUSDC担保と24時間決済を活用し、完全担保型契約を直接清算できると明らかにしている。
一方で、証拠金ベースのデリバティブについては外部パートナーの活用を継続するとした。
米国向けの無期限先物の商品文書では、清算機関としてNodal Clearの記載が引き続き残っている。顧客は承認済みの先物ブローカーを通じて当該契約にアクセスし、Nodal Clearが損益に応じた変動証拠金とファンディング支払いの処理を担う。
米規制当局は、海外市場と連携するこうしたスキームについて条件付きの例外も示している。CFTCは5月、職員レベルの条件付きノーアクション見解で、顧客が保有する暗号資産と決済用ステーブルコインを海外ブローカーの関連会社に証拠金として預託する手法を認めた。
対象はDeribit FZEの先物・オプション取引で、海外ブローカーが当該資産を再利用する権利を持つ構造が想定されている。
今回の対応により、Coinbaseは海外の機関顧客に対してDeribitのオプション商品群と統合担保体制の提供を先行させる一方、米国顧客向けにはCoinbase Financial Markets経由の別スケジュールを維持することになる。米国と海外で同一商品を同じ方式で直ちに提供する体制ではないことが改めて示された。