人工知能(AI)がコーディング業務の自動化を押し進める一方で、米国のソフトウェア開発者求人は増加している。ただ、需要の伸びは経験者とAI関連人材に集中しており、新卒・若手の採用環境は厳しさを増している。
CNBCが11日(現地時間)に報じたところによると、米国のソフトウェア開発者求人は、AnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」が公開された2025年2月以降、約15%増加した。同期間の全体求人は7%減少しており、開発職の底堅さが目立つ。データは求人・求職プラットフォームIndeed傘下のHiring Labの集計に基づく。
もっとも、開発者求人は新型コロナウイルス禍前の2020年2月と比べると、なお27.5%少ない。AI導入と求人増加の間に直接的な因果関係があるかどうかも確認されていない。
一方で、開発業務におけるAIの存在感は急速に高まっている。GitHubによると、報道時点では、コード変更を提案するプルリクエスト(Pull Request)の3件に1件はAIエージェントが関わった。1年前は10件に1件未満だった。
企業が求める人材像にも変化が出ている。AIがコードを書けるようになっても、成果物の品質検証やバグ修正、既存システムへの統合は引き続き重要な業務だ。単純なコーディング能力よりも、AIを使いこなしながら開発全体を管理できる力が重視されている。
ただし、採用回復の恩恵が広く行き渡っているわけではない。昨年5月から今年5月にかけて増えた開発者求人の71%は経験者向けだった。職務名にAIを含む求人も、増加分の37%を占めた。両者は一部で重複している。
これに対し、新卒・若手層の雇用環境は悪化している。スタンフォード大学の「2026 AI Index」によると、22〜25歳のソフトウェア開発者の雇用は2024年以降、約20%減少した。
中長期では雇用拡大が続く見通しだ。米労働統計局(BLS)は、ソフトウェア開発者の雇用が2025年の約172万人から2035年には約189万人へと、10%増えると予測している。AIの普及は需要そのものを消すのではなく、採用基準や職務構造を変えているとの見方だ。