写真=CoinShares

CoinSharesは、ビットコインの上昇基調が続くためには、金利見通しの変化よりも財政懸念を背景にした資金流入が重要になるとの見方を示した。CoinPostが10日、CoinSharesの8日付レポートを基に報じた。

レポートによると、7月中旬以降、暗号資産ファンドには累計111億ドルが流入した。ただ、今週に入ってその勢いは鈍化している。背景には米国債利回りの急騰がある。10年債利回りは5.3%を上回り、30年債利回りも5.7%に達し、いずれも20年超ぶりの高水準となった。

米財務省は8月、長期国債の買い戻しについて、9月9日から11月4日にかけての1回当たり上限額を20億ドルから40億ドル超へ引き上げると発表した。だが、9月はこの4年間で米国債にとって最悪の月となり、10年債利回りは0.5ポイント超上昇した。スコット・ベッセント財務長官も、債券市場をコントロールできていないと認め、金利上昇の要因として原油高を挙げた。

CoinSharesは、投資家の関心が短期的な市場支援策よりも、財政そのものの持続可能性に向かっているとみる。通常、金利上昇は借り入れコストを押し上げるため、ビットコインには逆風となる。ただ、その上昇が財政の持続可能性に対する懸念を映したものであれば、ビットコインは伝統的なリスク資産というより、法定通貨の代替資産に近い存在として意識されやすくなると説明した。

米雇用には減速の兆しも出ている。米労働統計局が2日に公表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は2万9000人増と、過去12カ月平均の4万5000人を下回った。失業率は4.2%に上昇した。Fedは9月16日、2023年7月以来初めて利上げを実施し、政策金利の誘導目標レンジを3.75~4.00%へ引き上げた。10月の追加利上げ確率は、3週間前の71%から23%へ低下した。

一方で、購買担当者景気指数(PMI)は今週も拡大基調を維持し、消費など他の活動指標も雇用関連指標より底堅い。イラン紛争などを背景にエネルギー価格も高止まりしており、市場では次の政策判断は雇用よりもインフレ動向に左右されるとの見方が強いとCoinSharesは指摘した。

CoinSharesは、7月中旬以降の資金流入の大部分が押し目買いによるものだったと分析した。そのうえで、足元の鈍化はファンダメンタルズの悪化ではなく、弱い雇用、根強いインフレ、財政懸念という3つの相反するシグナルが併存していることによる不透明感が要因だと診断した。

最も大きな影響を及ぼし得るのは最終的に債券市場だとし、ビットコインの緩やかな上昇を持続的な上昇局面へ移すカギは、財政懸念をヘッジするための需要にあるとした。今後数週間は、この点が重要な注目材料になるとしている。

キーワード

#CoinShares #ビットコイン #暗号資産 #暗号資産ファンド #米国債利回り #財政懸念 #Fed
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.