画像=ChatGPT

マーケティング組織でAIツールの導入は急速に広がっているものの、明確な事業成果につなげている企業はなお少数にとどまっている。米国のBusiness Insiderが9月30日(現地時間)に報じた。

コンサルティング会社Bainがマーケティング・財務部門の上級幹部1397人を対象に実施した調査では、95%が所属組織でAIツールを導入していると回答した。一方で、AIがすでに大きな成果を生んでいると答えたのは6%だった。

Bainのパートナー、ローラ・ボーディン氏は「変革は難しく、時間がかかる」と説明した。

調査では、成果を上げている企業に共通点も見られた。Bainは、年間売上高成長率が11%超、市場シェア成長率が7%超の企業を「リーダー」に分類した。

リーダー企業は、売上高や市場シェアが停滞または減少した企業に比べ、AIが2桁の増収またはコスト削減に寄与したと答える割合が2倍高かった。ただし、BainはAIそのものが成長の直接要因であることを示すものではないとしている。

リーダー企業は、AI戦略を集中的に管理し、部門横断で活用を進めながら、業務フローとチーム体制を同時に見直していた。顧客分析にファーストパーティデータを活用し、パーソナライズ施策にAIを取り入れる傾向も強かった。

Bainは、AIソフトウェアの導入にとどまらず、業務や組織の設計そのものを見直すことが重要だとみている。

同様の傾向は他の調査でも確認されている。Dentsu Creativeが世界のマーケティング意思決定者1950人を対象に実施した調査では、70%がAIによる大きなコスト効率化をまだ実現できていないと答えた。

PwCの調査でも、最高経営責任者(CEO)の56%が、過去1年間にAIによる増収やコスト削減の効果を得られなかったと回答した。

AIはマーケティング組織の人員構成にも変化を及ぼしつつある。Bainは今後、個別業務に特化した人材よりも、複数の機能を横断して調整できる人材の重要性が高まるとみている。

調査に参加したある最高マーケティング責任者(CMO)は、「AIを活用すれば、5〜10人規模のチームで、以前は最大50人が担っていた業務を処理できる」と述べた。

企業にとって次の課題は、AIを導入すること自体ではなく、AIに合わせて業務と組織をどこまで再設計できるかにある。調査はそうした現実を示している。

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